手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

2020-01-01から1年間の記事一覧

星とたんぽぽ   🌺金子みすゞ(6)

青いお空の底ふかく、海の小石のそのように、夜がくるまで沈んでる、昼のお星は眼にみえぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、 見えぬものでもあるんだよ。 散ってすがれたたんぽぽの、瓦のすきに、だァまって、春のくるまでかくれてる、つよいその根は眼にみえぬ…

不思議    🌺金子みすゞ(5)

わたしは不思議でたまらない、黒い雲からふる雨が、 銀にひかっていることが。 わたしは不思議でたまらない、青い桑の葉たべている、蚕が白くなることが。 わたしは不思議でたまらない、たれもいじらぬ夕顔が、ひとりでぱらりと開くのが。 わたしは不思議で…

お佛壇   🌺金子みすゞ(4)

お背戸(せど)でもいだ橙(だいだい)も町のみやげの花菓子も、佛さまのをあげなけりゃ、私たちにはとれないの。 だけど、やさしい佛さま、ぢきにみんなに下さるの。だから私はていねいに、両手をかさねていただくの。 家にやお庭はないけれど、お佛壇には…

灰    🌺金子みすゞ(3)

花咲爺さん 灰おくれ笊にのこった 灰おくれ私は いいことするんだよ さくら もくれん 梨 すももそんなものへは撒きゃしないどうせ 春には咲くんだよ 一度もあかい花咲かぬつまらなそうな 森の木に灰のあるたけ撒くんだよ もしもみごとに咲いたならどんなにそ…

蓮と鶏   🌺金子みすゞ(2)

泥のなかから 蓮が咲くそれをするのは 蓮じゃない 卵のなかから 鶏がでるそれをするのは 鶏じゃない それに私は 気がついたそれも私の せいじゃない 【金子みすゞ大全集–生誕100年記念–(朗読CD)第六巻より】 すべて、阿弥陀さまのお計らいなのでした。みす…

さびしいとき    🌺金子みすゞ(1)

私がさびしいときによその人は知らないの 私がさびしいときにお友だちは笑うの 私がさびしいときにお母さんはやさしいの 私がさびしいときに仏さまはさびしいの【金子みすゞ大全集–生誕100年記念–(朗読CD)第六巻より】 阿弥陀さまとみすゞさんは、一心同体…

お悔やみ欄 ①

義理の兄は、地元紙をとっている大きな理由に、お悔やみ欄が充実していることを挙げた。新聞記事の内容に目を通さなくても、お悔やみ欄だけは必ずチェックしてから仕事に出かけるとのこと。以前、香典をもらった本人やその身内に滞りなくお返しをするため、…

自分のことになって響く

最近ある自治体から、日々の歩数を記録する健康事業の参加者が、コロナ禍で増えたという報告がありました。新型コロナウイルスの感染に注意することで、健康への関心を高めたことが一因だと考えられます。 「無関心層」に向けて健康情報を発信し、健康リテラ…

月明りに照らされて

親鸞聖人のよき人、恩師である法然聖人は、 月影のいたらぬ里はなけれども 眺むる人の心にぞすむ と詠われました。 月の光は、野山や里をくまなく平等に照らしていても、その月をながめる人でなければその美しさは心に伝わらない、という意味です。「月影」…

思いやり・やさしさ故に

【2020年6月6日(土)朝日新聞(朝刊) ひと(2面)より】 本日の朝日新聞(朝刊)の記事からです。「供養が死者の慰めになるのは勝手な満足。でも死者の思いに引かれて参らずにはおれんのです」という部分は、「恵信尼消息」に記されている親鸞聖人のある…

南無阿弥陀仏の世界

東条大将の最後の歌にこういうのがあります。先生、いよいよ明日の夜中の零時1分に殺されるということを昨晩聞きました。寝ておる間に引っ張り出されて殺されてはたまらんと思っておったんだが、24時間前にそれを聞かせてくれてうれしかった。しかし、こ…

「南無阿弥陀仏」という言葉

言葉は中国から渡来した言語ではない。かつて私たちの遠い祖先は「ことば」には霊が宿り、「ことば」は葉のように飛散するので、「ことば」をとどめることは霊性の冒瀆と考えていた。 言葉を中国から渡来した文字でとどめることにしたときから私たちの祖先は…

厳粛な事実(生まれたら死ぬ)

彼は、人生を大好きな将棋に例え「死が迫っている今の自分は、どうしても詰みから逃れられない将棋と同じだ」と話しました。私が「人生を将棋に例えるなら、手数が違うだけで誰もが詰んでいるのではないですか」と返すと「そういう考え方もありますね」とつ…

浄土教の独特の宗教的境地

妙好人と言われる人たちもその悲嘆懺悔(ひたんさんげ)と歓喜とをひとつに語っています。その歓喜は、煩悩は依然としてなくならないが、他面その煩悩の根が本願力によってたち切られたというところがあるからです。それが住正定聚ということです。そこに浄…

自分さえよければそれでいい?!

【お坊さんの話WEB 「無明の闇を破る(約25分)」柳川眞諦 師より】 このご法話の冒頭で、「三尺三寸箸」の話がでてきます。新型コロナ禍の最中、特に、この話はとても参考になるといいますか、学びがあります。日常生活において極楽と地獄は共存していま…

愛犬との別れ

令和2年3月28日(土)、愛犬が旅立ちました。彼と共に暮らした16年間は、我々家族にとって、とても楽しい日々でした。迎えて送るという立場は本当に辛いものです。今頃、彼は何をしているのかな、と思ったり考えたり。遅かれ早かれ、彼も阿弥陀さんに…

「南無阿弥陀仏」の受けとり方の違い

南無阿弥陀仏の六字を、他宗には大善大功徳にてあるあひだ、となへて、この功徳を諸仏 菩薩 諸天にまいらせて、その功徳をわがものがほにするなり。一流にはさなし。この六字の名号、わがものにてありてこそ、となへて仏 菩薩にまいらすべけれ。一念一心に後…

「南無阿弥陀仏」は私への呼びかけ

発願廻向ということについても、ふつうなら願をおこして修行して善根功徳をまわしむけるということですが、その意味を転じて、如来が発願して衆生の浄土往生のための行をまわしむけほどこされるということと解される。 それから善導大師は「阿弥陀仏といふは…

同じ言葉でも捉え方次第でまったく意味が違います

ある会話の中で、「売れてない」というフレーズの意味の取り違いがありました(笑)。 「売れてない」売れずに、まだ、沢山、物が残っている 「売れて、ない」売り切れて、物が全く残っていない おもしろいもので、言い方ひとつで、全く意味が違います。意味…

大丈夫。

昨晩(4/15)のWEB御法話での言葉です。 『南無阿弥陀仏』を「大丈夫。」と表現されました。とても印象的でした。 【法話生配信 第2段! 4/15(水)浄土真宗Liveオンライン生配信 松本智量 師 延立寺住職(東京・八王子)本願寺派より】 『南無阿弥陀仏』と…

聴聞の姿勢

蓮如の子 實悟の記録によると、文明13年(1481)前住職の本願寺第7代存如の25回忌法会の時、山科本願寺において4日間にわたり能を催した。この時、2日目にも演じた狂言「鶯の鳥さし」を蓮如は大いに感心し気に入られ、3日目にもまたこれを所望し…

木を見て森を見ず

「木を見て森を見ず」物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うこと(故事ことわざ辞典)、という意味です。 浄土真宗の視点でいいますと、「自分(わたし)にばかり固執して、阿弥陀さまをみない」ということでしょうか。日常生活同様、浄土真宗の教…

「後生の一大事」を心にかけて(大峯 顯 師 法話)

真理というのは一瞬で分かる。 あ、そうか(私は阿弥陀さまに)お助けいただくんか。 これだけです。 (大峯 顯 師 法話より) とても心地よい御法話でした。浄土真宗でいう「信心」について、ど直球でお話頂いています。大峯先生のルーツにも興味が湧きまし…

果たして当たり前なの

本日の読売新聞(朝刊)に、以下のような記事がありました。 ある男性の悩みとして、「おむつ交換台がある男性用トイレが少なく困っているという現状」があるというものです。実際、危険を承知で娘を便座のふちに立たせて、おむつの交換をした経験があった、…

私の死をマスクする(覆い隠す)新型コロナ

このところ、新型コロナウイルスの話題で持ち切りです。なぜ、そこまで騒ぎ立てるのでしょうか。答えは簡単です。誰もが、根底に、「死」という問題を抱えているからです。新型コロナウイルスの恐怖を突き詰めていきますと「私が死ぬこと」に行き着きます。…

阿弥陀さまと私

(親鸞)聖人の教えは、決して特別な学問的訓練を受けた人を対象としたものではなく、また特別の修行をしてはじめてわかるというようなものではありません。むしろふつうの世俗の生活をしている人たちのための教えです。鎌倉仏教の中でも、とくに法然上人や…

南無阿弥陀仏のはたらき

先に体に浸(し)み込んでるものの扉が後で開くような発見の喜びってありますよね。 (釈 徹宗)【折々のことば 鷲田 清一 朝日新聞 2020年3月6日(金)付より】 この言葉を「南無阿弥陀仏の視点」からみますと、「ホー、なるほど!」と受け取れます。根底に…

胸に手ぇ当てて聞いて見よ

「胸に手ぇ当てて聞いて見よ」は、真宗門徒のみならず世間一般でもよく使われていた言葉だが、最近はあまり耳にしない。 たとえ、世界中の人間を騙しおおせても、自分の本心だけは騙しおおせるものではない。「胸に手を当て」れば、やはりふっと思い当たる後…

こぼれ出る真実信心

如来の慈悲の結晶である名号は、手では受け取れません。耳で聞いて受け取るのです。受け取ると言えば能動的に感じられるかも知れませんが、耳は本来、能動的な器官で、自分の意志とは 無関係に嫌でも聞こえてくるものです。 耳から入った名号は、貪欲・瞋恚…

おかげさまで 第3弾

海さん(現代水墨画作家)に、第3弾を描いて頂きました!テンションあがります~おかげさまで 今日も 口から 南無阿弥陀仏 第3弾 第2弾 第1弾