花咲爺さん 灰おくれ
笊にのこった 灰おくれ
私は いいことするんだよ
さくら もくれん 梨 すもも
そんなものへは撒きゃしない
どうせ 春には咲くんだよ
一度もあかい花咲かぬ
つまらなそうな 森の木に
灰のあるたけ撒くんだよ
もしもみごとに咲いたなら
どんなにその木はうれしかろ
どんなに私もうれしかろ
【金子みすゞ大全集–生誕100年記念–(朗読CD)第六巻より】
歎異抄にでてくる「悪人正機」という言葉が思い浮かびます。
「私」は、阿弥陀さま。
「森の木」は、悪人。
「さくら ・もくれん・ 梨 ・すもも」は、善人さま。
阿弥陀さまのお慈悲は、いま苦しんでいる人により深くはたらきかけるのでしょう。