手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

念仏の一本道

  教師として歩み始めた私は、生徒とも心が通わず、重苦しい日々を生きていました。私は人として誠実に生きることを一番大切にしていました。それが真実に生きることだと思っていたからです。それは間違いをおかした自分を責めることでもありました。人を裏切った自分を許すことができないのです。そこを外れると自分が自分でなくなってしまう、でも、窒息してしまいそうなのです。
 そんな時、松任(石川県白山市)のお寺で高史明(コサミョン)先生のお話しを聞きました。先生は親鸞聖人の教えに深く学んだ作家の方ですが、お話しを聞いておりますと、次のような言葉が聞こえてきたのです。
 「自分をギリギリ責めるのではない。そこには真実はない。あなたがあなたのままで、煩悩具足の凡夫のままで生きていける一本道がある。念仏の一本道だ」。 
 その声はいのちに染み渡りました。
【苦悩を超えて歩む(ひとすじの道) 宮森忠利 真宗文庫より】



すでに「念仏の一本道」は用意されています。
自分(自身)と格闘してもなんの進展もありません。
自分を超越したものにおいては、超越したものに委ねるしかありません。
わたしがわたしのままで、阿弥陀さまに、ただおまかせ、です。
おかげさまで 今日も 南無阿弥陀仏



一本道