手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

たのむ (憑む) 

 蓮如さんは、念仏を「弥陀たのむ」と言う。「たのむ」ということです。「たのむ」とは何か。「たのむ」には、「頼む」と「憑む」の二つがある。蓮如さんが言う「たのむ」は後者の「憑む」です。我々の「たのむ」は前者の「頼む」です。「頼む」は依頼心です。皆さんの念仏は全部「頼む」の方でしょ。念仏するから助けて下さい。苦しいときの念仏だのみ・・・・・・、苦しいときに南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏・・・・・・、どうかこの苦しみを除いて下さい・・・・・・、これは依頼心でしょ。念仏するから助けて下さいという取引です。取引の心です。見返りを期待している。信じるから助けて下さいと。その助かる内容は何か・・・・・・、苦しみを除くこと、金が儲かること、病気が治ること・・・・・、
全部自分に都合いいことでしょ。自分のことか、せいぜい家族のことしか願わない。自分にとって大事なものしか考えてない。自分さえよければそれでいい。我々の念仏は「頼む」の方です。それに対して「憑む」は「一切お任せ」です。煮て食おうが焼いて食おうが、どうなろうがあなたにお任せします。だまされて地獄に堕ちても後悔しませんと。これが「憑む」ということです。全部の運命を丸ごとを託す。金が儲かろうが儲かるまいが、病気になろうがなるまいが、孫が大学に受かろうが受かるまいが、息子が自殺しようがしまいが、如来に任せる。それを憑むという。それが念仏です。私の依頼心は全部捨てられる。そうすると、私が念仏するなんてなかなか出来ないでしょ。
【歎異抄講述・聞書(一)序 響流選書 鶴田義光 より】



一般的に、「たのむ」といえば、「お願いする、依頼する」と解釈します。
しかし、ここでいわれている「たのむ」は「おまかせする」です。その点に留意する必要があります。
わたしが、〜するから助けて下さい、ではありません。
〜するから、〜したら、〜すれば は見返りを期待する自力の言葉です。
阿弥陀さまにただただおまかせです。出発点は、阿弥陀さまであって、私ではありません。
浄土真宗が、本願力回向の教えといわれる所以です。
「阿弥陀さまにただおまかせする」ことほど楽なことはありません。
おかげさまで 今日も なもあみだぶつ


たの・む【頼む/×恃む/×憑む】
1 相手に、こちらが希望するようにしてくれることを伝えて願う。依頼する。「用事を―・む」「口外しないよう―・む」「代筆を―・む」
2 たよりになるものとしてあてにする。力としてたよる。「大黒柱と―・む人」「数を―・んで強行する」
3 用事や処置を他にゆだねる。まかせて、すっかりしてもらう。「子供を―・んで夫婦で出かける」「あとを―・む」
4 何かをしてもらうために呼ぶ。また、注文する。「医者を―・む」「タクシーを―・む」「出前を―・む」
5 他家に行って案内を請う。「たのみましょう」「たのもう」などの形で、感動詞的に用いる。「『―・む』と案内を乞う」〈漱石・草枕〉
6 信用する。信頼する。「東人 (あづまうど) こそ言ひつることは―・まるれ」〈徒然・一四一〉
【goo辞書より】



http://www.fleapedia.com/五十音インデックス/み/見返り美人とは-意味/