手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

広い視点で考えることの大切さ

 情報が手軽に手に入るわりに、忙しくてその暇がないのか、現代人はものを考えなくなってきているように思えます。自分の頭で考えた意見よりも、他人の意見の受け売りや、単純に物事を割り切ってしまった意見が蔓延している感じです。いろいろな情報が大量に入ってくれば、本来なら、しっかり考えないと消化できないはずなのに、自分に不都合な情報は切り捨ててしまっているのです。
 もっと考えることを大事にしてほしいと思うのですが、情報の一面しか見られないのは、こころが自分の欲望に縛られ、自分に都合のよいことしか受け取らないようにしているからだと思います。仏教は、そういう自分中心のこころを開きなさいというのが基本的な考えです。こころを開くことで、自分とは合わない情報も入ってくるようになり、情報を処理するためには嫌でも考えざるを得なくなります。
 まず、「自分は欲望にとらわれている」と自覚することから始めれば、もう少し広くて柔軟な視野で情報を読み取り、自分に不利益なものも理解できるようになるでしょう。
【人生は価値ある一瞬(ひととき) 大谷光真 PHP研究所 P120、P121より】



生きていく上において、「自分中心」が色濃くでてしまうと周りとのコミュニケーション不足に陥ります。その弊害は大きいです。
南無阿弥陀仏を聞く」ということにおいても同様です。
自分の都合や自分のはからいを、どれだけ阿弥陀さまに差し向けても差し向けた、ということはありえません。残念ながら、(このいまは)自力で助かる時代ではないのです。そのことは、仏さまであられるお釈迦さまがハッキリといわれていますので、そのお言葉に従うしかありません。
いまは他力の時代です。「南無阿弥陀仏」と素直に聞くだけです。言い換えれば、このいま・ここで・わたしが、南無阿弥陀仏のおはたらきに気付かせて頂く、ということです。
今日も南無阿弥陀仏



Human man fat and slim concept