手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

最初の説法 (お釈迦さま)

 お釈迦さまの最初の説法の内容は、「四諦八正道(したいはっしょうどう)」の教えだといわれています。「四諦」とは、「四つの真理」という意味で、具体的には「苦諦(くたい)」「集諦(じったい)」「滅諦(めったい)」「道諦(どうたい)」の四つの真理のことです。
 第一の「苦諦」とは、人生は苦であるという真理です。具体的には、四苦八苦(しくはっく)があげられます。四苦八苦の四苦とは、生・老・病・死の四つの苦しみのことで、八苦とは、四苦に、愛別離苦(愛する者と別れ離れる苦しみ)・怨憎会苦(怨み憎む者と会わなければならない苦しみ)・求不得苦(求めても得られない苦しみ)・五蘊盛苦(思うようにならない心身から生じる苦しみ)の四つを加えたものをいいます。
 第二の「集諦」とは、苦しみを招き集める原因は煩悩であるという真理です。苦しみの原因は、外にあるのではなく、自らの煩悩にあるというのです。
 第三の「滅諦」とは、苦しみを滅した境地が涅槃(ねはん)であるという真理です。涅槃とは、サンスクリット語では、ニルヴァーナといい、もともと、「吹き消された状態」という意味です。つまり、涅槃とは、煩悩の火が吹き消された、さとりの境地のことをいいます。
 第四の「道諦」とは、苦を滅して涅槃のさとりに至る方法が八正道であるという真理です。八正道とは、具体的には、「正見(正しい見方)」「正思惟(正しい思い)」「正語(正しい言葉)」「正業(正しい行い)」「正命(正しい生活)」正精進(正しい努力)「正念(正しい思いの持続)」「正定(正しい精神統一)」です。
 以上が四諦八正道の教えですが、これらは、お医者さんが病人を治療するのに似ているといわれています。
 お医者さんは、まず、お腹が痛いとか頭が痛いとか、病人の現状を把握します。これが「苦諦」にあたります。次に、お腹が痛い場合には、お腹を出して寝ていないか、何か腐ったものを食べていないかなど、その原因を探ります。これが「集諦」にあたります。そして、健康な状態を頭にイメージして(これが「滅諦」にあたります)、その健康な状態にするために、お腹を温かくして休みなさいとか、この薬を飲みなさいなど、その方法を示します。これが「道諦」にあたります。
【13歳からの仏教 龍谷総合学園 編 本願寺出版社 P40〜P44より】
※読み
愛別離苦(あいべつりく) 怨憎会苦(おんぞうえく) 求不得苦(ぐふとっく)
五蘊盛苦(ごうんじょうく)
正見(しょうけん)正思惟(しょうしゆい)正語(しょうご)正業(しょうごう)
正命(しょうみょう)正精進(しょうしょうじん)正念(しょうねん)正定(しょうじょう)



お釈迦さまが、この地球上にお生まれになって、仏教を説いてくれたからこそ、現在の私があります。2600年前と今が、時空を超えて繋がっています。
浄土真宗は他力の教えです。煩悩をもったまま、そのままの救い、ありがたいことです。
「な〜まんだぶつ」とお念仏を称えさせて頂くだけでよいのです。もちろん、南無阿弥陀仏のおはたらきに気付かせていただくことは大前提です。
このいまも、南無阿弥陀仏のおはたらきはひとり一人に届けられています。「なーまんだぶつ」とお念仏を称えさせていただきましょう〜