手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

昔から絶えることなく (童謡:春の小川より)


 小川の水が、スミレやレンゲなど、岸に咲く花の一つひとつに、「やさしく、色うつくしく咲いているね」と、ささやきかけている情景です。
 ただサラサラと流れ続けている小川の水が、エビやメダカや小鮒の群に、「今日も一日ひなたで泳ぎ 遊べ遊べ・・・・・・」と、ささやくということなど現実にはあり得ないことです。もっとも、水と花とが心を通わせ、語り合う世界のあることを知らされたのは、ずいぶん時が経ってからのことです。
 しかし、ことはそれだけではありません。小川の水は、スミレやレンゲの花が岸辺に咲き始めるはるか昔から流れていたのです。エビやメダカや小鮒の群が住む前から、絶えることなく流れ続けているのです。そんな遠い時の流れの中で、変わらぬ小川の水と、ひと時の「いのち」を恵まれて生きている生き物の「いのち」の営みとを二重写しにしてみますとき、巡り遇いのかけがえのなさに心を動かされます。
 そんな日常のあれこれを思いつつ、お念仏申し日暮しを恵まれていることの不思議さを思わずにはいれません。
【みんなの法話2 本願寺出版 みな同じく斉しく 白川義光(福岡・正善寺住職)P223〜P226より抜粋】


春の小川(はるのおがわ)
1912年に発表された文部省唱歌である(高野辰之が作詞、岡野貞一が作曲したとの説がある)。初めて掲載されたのは『尋常小学唱歌 第四学年用』である。以後歌詞の改変があったものの、国民学校や小学校で90年近くにわたって現代まで教えられ続け、世代を越えて歌い継がれている。二部形式で書かれた楽曲である。
ウィキペディアより



「春の小川」の歌詞を、浄土真宗の視点からみますと、また違った味わいがあります。
素晴らしい感性ですね。