手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

信心 (その4)

親鸞聖人は、信心のことを表現するとき、私は信じますと言わずに、疑いがないと、いうふうに言われます。それの方が、信心は自分の心ではないという消息をよく言い表すことができるからでしょう。
信心とは、如来の本願を聞いて、すこしも疑うことがない心境、二心が入る余地がない状態です。
だから、一生懸命という固い感じとは反対に、心が溶けたあり方です。
信心というのは、私の心の構築ではなく、反対に如来の大きな心の中に私の心が溶けることです。
如来さまの明るく大きな心の中に、私の固くて暗い心が溶けていくことを言うのです。
【浄土の哲学 高僧和讃を読む・上  大峯 顯 本願寺出版社 p313,314より】