手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

われわれは現在(いま)に立っている

世の中には、不幸なことですが、道を修めようとする者のあいだで、このような不十分な考えをもっている人が少なくないのです。
これらの人は現在を見ないで、将来だけを見ています。精神の自由、解脱、または満足を、ぼんやりと遠い行く末に見ていて、それを現在に得ようとは努めません。
心が享受する幸福やこよなき楽しみを、漫然とはるかな将来に期待していて、それを現在得ようとはしません。これはまったくよくない考えです。
なぜかと言いますと、われわれは将来に立っている者ではなく、現在に立っているからです。                      中略
われわれはこのようなまちがいを離れて、いたずらに将来ばかりを見ず、まず現在の足元を踏み固めなければなりません、いかに外の事物による襲撃が強くても、決してそれによって崩されない堅固な現在の基礎を獲得しなければなりません。
つまり、われわれは現在の一念を確固たるものにしなければなりません。
【わが信心 P8〜P10 清沢満之 [著] 藤田正勝[訳] 法蔵館より】


【手品師コメント】
築地本願寺での聴聞において、しばしば、清沢満之(きよざわまんし)師(1863年生まれ。明治時代の仏教哲学者・思想家、真宗大谷派の僧)の話がでてきました。気になり、書籍を購入しました。