手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

宿善について 1

『口伝鈔』では、「欲知過去因」の文の通りであるといわれているのです。それは、『法苑珠林』に「経にいはく」として「過去の因を知らんと欲すれば、まさに現在の果を観るべし。未来の果を知らんと欲すれば、まさに現在の因を観るべし」といわれた四句の偈文の初句です。もっとも、この言葉は経典の中に確かな典拠はないようです。ともあれ、ここでは現に浄土の教えに逢い、本願を信ずることが出来るか否かによって、過去に法に遇う宿善があったか無かったかを知ることが出来るというのです。
このように見ていきますと、経釈に説かれている宿善とは、過去世における善行が信心を獲得するための善き因縁になるということであって、往生の因になるということではなかったことがわかります。往生の因は本願の名号を信受する信心だからです。
聖典セミナー 口伝鈔P35,P36 梯 實圓 和上 本願寺出版社


【手品師コメント】
宿善は
、信心を獲得するための善き因縁になることはあっても、往生の因にはならないということを教えて頂きました。