手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

真珠貝

真珠貝は 海の中で
何かコロコロするような
果物を抱いたまま
今は それを
除きたいともおもわず
生きている
【詩集 群生海P8 「真珠貝」  榎本 栄一 難波別院 より】



榎本 栄一(えのもと えいいち)
1903年(明治36) 徳島県に生まれる
1907年(明治40) 大阪市西区新町で父母が小間物化粧品店を始める
1918年(大正7) 高等小学校卒業
1945年(昭和20) 大阪空襲で家族7人淡路島へ逃れる
            大阪の知人Wさんの仮店舗が復興、単身住み込み、化粧品部担当
1950年(昭和25) 東大阪市で化粧品店開業
1962年(昭和37) この頃より詩作を始める
1974年(昭和49) NHKで作品が紹介され、難波別院から詩集『群生海』を出版
           以後、各出版社から多数の詩集を出版
1979年(昭和54)化粧品店を閉店
1994年(平成6) 仏教伝道賞を受賞
1998年(平成10) 還浄 94歳
【群生海 巻末より】



以下、国語力の乏しい私の勝手な解釈です。
榎本さん自身のことを、真珠貝にみたてて詠われたのでしょう。
「このいまも、阿弥陀さまに寄り添われて生かされていることに気付かされてみると、いままで障りであった煩悩も逆によろこびの糧となりました。私は、阿弥陀さまのお慈悲の中で、報恩感謝の日暮しをさせて頂いています」と受け取らせて頂きました。
実に味わい深い詩ですね。


The Advantages of Blind Passions(煩悩の利点)
http://d.hatena.ne.jp/miko415/20140710
「お慈悲のままに」より