或人問うて云く、信心とは如何、
和上答えて云く、御助けに疑いはれたが信心と云うべし、
或人云く、爾らばその疑いはれるとは如何、
和上云く、疑うてはならぬと云えばなおなお疑う故に、願力の御不思議で御助け下さるに間違いないと信ずるばかりなり、夜の明けたとき明けたと信じ、暗きとき暗きと思うが如し、明かりを暗しと思えと云うても、心はそうは思えぬ、
東京に居る者が病気して、如何と案じ居る処へ、その病気が全快したとの手紙が着いて疑いはれた如く、願力の御不思議で御助けと間違わぬことが信ぜられたのが疑いはれたのである、
【七里和上 眞宗安心示談 其二十二 佐々木徳量 編 洗心書房 P41,P42より】