手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

還相廻向

人間は自分の力だけで生きているんじゃありません。われわれはもともと共同存在あるいは共生存在です。他の人々と一緒に生きているのです。人間だけじゃなく、他のたくさんな生き物たちのいのちのお蔭で私のこのいのちはあるわけです。
ここで共生ということは生物学や社会学の概念よりもずっと広い意味で、仏教の言葉でいうと縁起ということです。これが人間のあり方の根本形式です。たんにいま生きているものたちだけとの共生ではありません。すでになくなった人々、つまり祖先がなかったら今の自分はここにないのです。
しかし、祖先と自分が本当に一緒になれる方法は何でしょうか。
自分がお経をあげたらご先祖と一緒になれるでしょうか。それは不可能です。
そうではなく、自分が如来様に助けていただく身であったと知らされたら、この生を終われば自分が仏になれるわけですから、かりにそれを知らずに死んだ人々があったとしても、その人々を必ず仏にできる。
これは如来様が教えて下さっている「還相廻向」という真理です。
【教学は何のためか『歎異抄』第十二条 大峯 顕 百華苑 P7より】


【手品師コメント】
往相廻向だけでなく、還相廻向もさせて頂ける。誠に有難いことです。