手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

「浄土真宗の信心」の特色

  正信とは、正しい信心、真実の信心、如来廻向の信心という意味であります。正という文字が加えられておるのは、如来廻向の信心であることを意味するもので、凡夫のおこす信心なら「正」とはいわれないのであります。信は仏教一般を通じてたいせつなことであり、仏教だけではなく、人間の行為についても、その根底に信がなければ実行はできないものであります。行為をやっておるということは、その信に浅い深いの差はあっても、その行為をしたらこうなるという信なしには行為は行われないものであります。だから、人間の行為の根底には、かならず信が動いておるということができるのであります。
  浄土真宗の信心にも、その性格はないとはいえないが、さらにいろいろの性格が含まれております。その第一は正信でなくてはならない。すなわち邪信や迷信であってはならない。人間の知性を破壊したり、それに反するものであってはならないことだといいます。しかも、その正しいということは、単なる私個人だけのものではなく、いつだれが見ても正しいという一般者、如来からあたえられたものでなければ、正しいとか、真実であるということができないものでありましょう。
 次に、凡夫のはからいをまじえないことであり、疑いをさしはさまないことだともいわれております。すべてを如来におまかせすることを信心というのであります。しかも、そのまかせた心も、凡夫のおこしたものではなく、如来廻向のものであるというところに、浄土真宗の信心の特色があるのであります。
正信偈に聞く 桐溪順忍 集 教育新潮社 P21、P22より】



「そのまかせた心も、凡夫のおこしたものではなく、如来廻向のものである」
100%他力です。