手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

不可思議

この間ね。亡くなった方なんですけどね。
私に親しくして頂いておったお年寄りの方です。
もう90歳だったんですが。
先日、ご法座に行きましたら、いらっしゃられませんでした。
息子さん夫婦が参っておられたので
「お婆ちゃんは、今日はどうしたんですか?」と言ったら、
「亡くなりました」というので、びっくりしたんですが。
いや〜急にご病気が悪くなって亡くなったそうです。
そのときにね。だんだん、この死が近くなる。
そうすると、お孫さんたちが
「お婆ちゃん!お婆ちゃん!」と、こう呼んだんですよ。
そうしたら、(お婆ちゃんが)ふっと目を開けましてね。
「お浄土に参らせて頂きよるのに邪魔するなやぁ〜」ちゅういうてからにおっしゃって。
そのまま、また「なまんだぶ〜、なまんだぶ〜」とお念仏しながら、すうっ〜と亡くなったというてね。
これは、すごいですね。
その人だってね。別に、学者でもなければ、ご法を悦んで生きてきた在家のお婆さんでございましたがね。
実に、まさにね〜。生死を超えたところで生きているなぁ〜って感じがするんですね。
【佛説観無量寿経に遇う 正宗分 得益分 梯 實圓 24 CD法話(すねいる)より】


【手品師コメント】
阿弥陀さまから、南無阿弥陀仏を賜ったからといっても、
このお婆さんのように「なまんだぶ〜なまんだぶ〜」とお念仏を称えながらすっ〜と亡くなれるわけではありません。
死に様は全く関係ありませんが、こういう死に方は理想的ですね。
また、お念仏を称えながら、いままさにお浄土に参ろうとしているお婆さんの姿を目のあたりにした家族は、ますます南無阿弥陀仏にむかわせて頂く大変よいご縁になったのであろうなあ〜と思いました。まさに、お婆さんの家族に対する臨終説法だと思います。
普通ですと、いままさに亡くなられようとしている方に対して説法するのでしょうが、この場合は逆なんですね。
南無阿弥陀仏は真だぞ!」と身をもってお示しされたお姿。
凄いです。南無阿弥陀仏がなせる技なんですね。