手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

自分の都合

 今朝早く起きてラジオで、NHK深夜便を聞いていました。そしてホテルから外を見たら誰も傘を差してないから今日の法座の都合を思ってよかったよかったと喜んだことです。
 天気予報の係をしてはった福井敏雄さん、その気象のお仕事をおやめになる前に、「わたしは今まで晴をいい天気といい、雨の日を天気悪いですっていうてきましたが、そういう言い方はやめました。」って宣言なさったのです。
 雨は雨、晴は晴ですよとお知らせしたらいいのです。というておられました。


 でもやっぱり、仕事の都合上、雨がいいという人もおられます。雨具屋さんなんかは「雨降ってもろうたほうがいい」ってなりますね、そしたらその雨具屋さんの「いい」のも自分本位ですし、我々がものごとにたいして「いい」とか「わるい」とか「多い」とか「少ない」とか、これみんな「都合」というその上に「自分の」がついた物指しで測って「自分の都合」に合うたら善いんです。物指しの都合からはずれたら悪いんです。
 私たち人間共は、このように善悪正邪損得を計算しはからう細菌が、充満する世界の真っ只中におるんです。
【『歎異抄』を頂く ―亡き人を縁として― 豊島学由 百華苑 P53,P54より】



「雨は雨、晴は晴ですよ」味わいある言葉ですね。
自分の都合、自分のはからい という自分のものさし。つわものです。
つわものですが、南無阿弥陀仏に依れば、いとも簡単になくなってしまいます。
不思議のなかの不思議です。


もの‐さし【物差(し)/物指(し)】
1 物の長さを測る用具。竹・金属・プラスチック製などがあり、長さの単位の目盛りがつけてある。さし。「―を当てる」
2 物事を評価するときの基準。尺度。「普通の―でははかれない人物」
※goo辞書より