「素直に聞け」と申されましても、わたくし自体は、はからいや疑いでいっぱいでございます。疑うほかにないこのわたくしに、ただいま南無阿弥陀仏とあがってくださることが、これは疑えない証拠でございます。
如来さまの名号として、わたくしの上に名乗りをあげてくださらなかったら、如来さまの真を知る術もないのでございます。いま、わたくしの上に念仏として名乗りを上げてくださることが疑うことのない事実でございますが、いま、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と声となって知らせてくださる以外には如来さまの真を知らせて頂く道がなかったのでございます。
手を合わせてもらうことも、わたくしの力ではございません。願力のはたらきでございます。自分が分からないときは、自分が求めておるように思うのでございます。ところが、この自分を知らされるところに、聞く私でないことを知らされまして、みな、如来さまのおひとりばたらきで「法のお姿のほかにはなかったなぁ〜」ということを知らせて頂くのでございます。
【 仰せ一つ 加茂 仰順 和上 ＣＤ法話 すねいる より】
【手品師コメント】
「自分が求めているのだ！」と思ってしまいますが、これもすべて阿弥陀さまのおはたらき。南無阿弥陀仏とお念仏をとなえさせて頂いているのも、阿弥陀さまに手を合わさせて頂いているのも、すべて阿弥陀さまの御催しである、と教えて頂きました。
