手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

桜の花に想う ※投稿文

「散る桜 残る桜も 散る桜 」
 この季節になると思い浮かぶ歌である。これは、江戸時代、曹洞宗の僧侶で歌人でもあった良寛(りょうかん)の辞世の句といわれている。今どんなに美しく綺麗に咲き誇っている桜であってもいつかは必ず散っていく。そのことをしっかりと心得ておくべき、という意味だ。この句を詠んでいると、桜の花の一生に私の人生を投影してしまう。散り逝く桜の花をみて、なにか寂しさや虚しさを覚えるのは私だけであろうか。
 「世の中の娘が嫁と花咲いて嬶(かかあ)としぼんで婆(ばぁ)と散りゆく」と、人の一生を詠んだのは、トンチで有名な一休(いっきゅう)である。ユーモラスな表現でありながら、なぜか笑えない。冒頭(良寛)の句でもあるように、この世は無常である。
 そろそろ桜シーズン到来だが、花見をひとつの機会として、自分の生死問題を考えてみるのもよいのではないか。現在、親父(オヤジ)期である私としては、爺(じぃ)と心が花咲く人生を送りたい。