手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

「健康で長生き」 の先は?

 生活習慣病(高血圧や糖尿病など)の検診で「脂質異常」や「糖尿病」の診断基準が一段と厳しくなって、異常を指摘されて再検査や相談に来られる方が最近は多いのです。
 病や健康をどう受け取るかは、その人の病気観・人生観に関わる課題です。
 相談に来られた人には、じっくりと話をうかがい、納得していただけるまで診断結果の解説や病気の説明をするように心がけています。時には仏教の考え方も交えながらです。
 検診では、検査項目を増やしていけばいくほど、検査値が異常と判断される確率は上昇します。すべての検査項目で正常値を目指すのは、学校でのあらゆる教科のすべてのテストで百点満点を目指すのと同じです。
 正常値も好ましいことでしょう。
 しかし、あまりにも「正常値」や「異常なし」にとらわれる人には、「今までの人生の出来事で、すべてに百点満点を取ってこられたのですか」と皮肉を言いたくなることがあります。
 検診の判断基準は、「正常値」の他に、発病率や病気による死亡率から勘案した「好ましい検査値」を基準値にするという仕方もあります。
 最近、コレステロールの基準値の判断が、研究者や個々の関係学会がつくるガイドラインによって違いが出てきており、医療関係者の間で摩擦を起こしています。何を基準に判断するかは、医療関係者にとっても悩ましい課題です。
健康で長生きは、確かに大事なことですが、「健康で長生き」は人生の目的ではなく、「手段・方法」の位置にあると考えるべきものだと思います。
 われわれは健康で長生きして、何を実現しようとしているのでしょうか。
【大往生 できる人 できない人 田畑正久 三笠書房kindle版)より】



「健康で長生き」の先には「死」があります。
「人は死ぬ」ことは、誰しも頭では分かっていますが、「自分(わたし)が死ぬ」という大前提はどこか遠くへ吹き飛んでしまっているのが現状ではないでしょうか。
いま・ここで・わたしが、生きている(生かされている)現実を、今一度、見つめ直したいものです。
おかげさまで 今日も なまんだぶ



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