正岡子規は自身は宗教嫌いであることを公言してきた俳人ですが、最後の病床で激しい痛みと戦っているときに、ある宗教家から届いた一通の手紙を読んで、それまでなかった安らぎを経験したことを『病床六尺』に記しています。
病気になったら、ただ病苦に耐えているだけではだめだと言っています。病気を楽しむ心境でなければ、生きていても意味がないというのです。誰でも病気になるのは辛く苦しいものですが、その現実を嘆いたり我慢したりするのではなく、それをまるごと受け入れ、苦しいことは遠慮なく苦しいと言うことが苦を生きることであり、つまりは人生を生きることであるというような境地です。
【命ひとつ ―よく生きるヒント 大峯あきら(大峯 顯) 小学館 P6より】
人として生まれ生きてきてよかった、という心境や境地で死んでいける人生に勝るものはありません。ここで、「病気を楽しむ」心境とありますが、これは、「自分(わたし)の生死問題が解決した」ことをいっているのでしょう。
おかげさまで 今日も 南無阿弥陀仏