手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

まずは縁ある衆生

 

 (歎異抄)第五条には、「まづ有縁(うえん)を度(ど)すべきなり」とも述べられています。これは、浄土に往生して悟りを開いたなら、まず縁のある家族や縁者や仲間から救っていけばよいという意味です。仏になるので最終的にはすべての人を救うのですが、まずは縁のある人からでよいですよね。

 改めて考えてみますと、仏教は壮大な生命のストーリーを私たちに提示してくれます。息を引き取った瞬間にその人が終わるわけではなく、浄土に往生する。死をも超えて続く道を歩み始めるのです。そして仏となってこの世に戻り、まずは縁ある人から救い、ついにはすべての人を救うのだ ―― と。

【歎異抄 仏にわが身をゆだねよ  釈 徹宗 NHK出版  P32、P33より】

 

f:id:tarou310:20200223064919j:plain

 死ねば、誰もが浄土に往生するのではありません。いま、南無阿弥陀仏のはたらきに気付かされている人でなければ、(死ねば、)また迷いの世界に逆戻りです。ここは、とても大事なところですので抑えておきたいです。

 この歎異抄第5条の「まづ有縁(うえん)を度(ど)すべきなり」という言葉に触れますと、いままで、お世話になった多くのひとの顔が浮かびます。最近亡くなった愛犬も然り。いま、こういう立場になっていることに感謝すると共に、(この世の縁が尽きて)先人と一緒に南無阿弥陀仏となってはたらきかけられる身になれたことに喜びを感じます。

 おかげさまで 今日も 南無阿弥陀仏

 

f:id:tarou310:20200809035940j:plain