手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

真実の宗教とは(1)

 現代の人間にとって 、宗教がどういう意味をもつのかということを明らかにするのはなかなか難しい問題です 。というのは 、昔なら誰もが心の深いところで持っていた宗教的要求というものが 、今は失われてしまったからです 。宗教的要求というのは 、現世を厭い 、真実の世界に生きたいと願う心です 。
 この世の生活に満足し切っている人には 、宗教は無縁です 。健康には自信があるし 、経済的にも何の心配もなく 、社会的な地位も確保して 、家族で楽しく生きているのに 、諸行は無常であるとか 、生きることは苦しみであるとか 、そういう消極的なことばかり言っているから仏教はだめなんだと 、そういう人は言うでしょう 。そんなことより 、どうすればいつまでも元気でやっていけるかとか 、仕事に成功するにはこういう心構えをもてとか 、とにかく現実生活に役立つことを教えてほしいというわけです 。そして 、お金を出せばそういうことを教える似て非なる宗教も 、今の日本には氾濫しています 。
 しかし 、人間が本当に大きな喜びを得るのは 、末とおらぬ一時的な欲望の充足によってではなく 、むしろ日頃は自分でも気付かないような心の底の深い願いが満たされたときではないでしょうか 。その深い願いというのは 、自分の生きていることの意味を知りたいという願いです 。今まで自分はこのことのために生きていたのだ 、ということを知ることができたならば 、わたしたち初めて真の喜びを得るでしょう 。そうした喜びのあることを教え 、そしてそれへ私たちを導くものが真実の宗教です 。
【生きることの意味 石田慶和 本願寺出版社電子書籍版)より】



現在、この世の生活に満足しきっている人も時間の問題です。「自分の死」が目前となった時、果たしてその満足は保たれているのか、よくよく考えてみたいものです。
生死問題を解決すること以外に本当の満足はありません。真実の宗教の見極めは非常に重要です。しっかりと見極めたいものです。
おかげさまで 今日も 南無阿弥陀仏